Savior-社長は救世主-
「神谷社長さんって、いい男ね」
母と私は台所で少し早めの夕食の準備
父と社長は一度父の書斎に入り
1時間ほどで出てきた
父の目が少し赤かった
気になったが、私も母も見て見ぬ振り
今日は泊まって行きなさい、と
父から言われてしまい
一度は断りを入れたが
父の飲め飲め攻撃に
社長は断ることができず……今に至る
「かあさん、酒がないぞー」
「はい、はい。」
社長の事を気に入ったんだろう
上機嫌な父
私がお酒を運ぶと
すっかり寝入っていた
『もう、飲みすぎなんだから…大丈夫ですか?父にかなり飲まされませんでした?』
「大丈夫」
社長も少し顔が赤くなっていたが
父程酔っているわけではなさそうだ
『すみません、社長。まさかこんな事になるなんて…』
「ん?いいよ、親父さんと飲めたし、楽しかったから。また飲めたらいいな」
社長は眠っている父を見ながら
嬉しそう言ってくれた