Savior-社長は救世主-

「どうしてわかってくれないの？」
「俺がどれだけ澪のことが必要かって…どうしてわかってくれないの？」


わかりたくない、
和弥のこと、わかってたつもりだった
けど、それは私の勘違いだったんだ



『…必要なら、どうして暴力を振るうの？私がどれだけ辛い思いしたかわかる？』



和弥は今まで見たことがない顔をした
優しく笑う顔、怒り狂う顔
今は…今にも泣きそうな顔


「悪いと思ってる…けど、澪のことになると…どうしても自制が効かなくなる」


『そんなの言い訳じゃない！』



その瞬間、私の頬に痛みが走った


「…うるせーな、」




…っ、……だれ？この人
さっきまで泣きそうな顔をしていたのに
今は無表情…

どうしていいかわからず
和弥を見つめていたら
和弥の口元が微かに動いている