Savior-社長は救世主-

何かが来る、ヤバイ


そう思った時には遅かった
両肩の圧がなくなったかと思えば
すぐ別の所に圧がかかる



『ぐっ…、あ……や…』


「澪が悪いんだよ?澪がいない人生なら生きていけない…澪が悪いんだよ」



和弥の手にまた力が入る
和弥の手を剥がそうとするが無理だ

ダメだ、意識が遠のく…


「大丈夫、心配しないで。澪を一人にしないから」



どんなに抵抗しても無駄
和弥は本気だ

私は殺される



そう思ったら自然に涙が出た
死が怖いとかじゃない

両親に花嫁姿や孫を見せられなかった
父の楽しみである、婿と酒を交わすって夢を叶えてあげられなかった、とか

優さんと藍さんの赤ちゃんを見たかった
あー、藍さんに怒られちゃう、とか…
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