Savior-社長は救世主-

『…おはようございます』


まだ寝ぼけているであろう
が、日差しが朝だということを
教えてくれる

なんとも言えない空気の中
私はふさわしい言葉を掛けた


「…こ…もり?」


私の声でようやく目が覚めたらしい


「…よかった…。小森、全然目を覚まさないし、医者は小森次第だって言うし、俺…本当にどうしていいかわからなくて…」


今にも泣きそうな顔で
私の手をギュッと握りしめて言う


そんな彼を見たら申し訳なく思い
ごめんなさい、と言葉が出る


「あ…、医者呼ばないと」


『…やっぱりここは病院なんですね?私はどうして病院にいるんでしょうか?』

『それと…ごめんなさい、私はこもりっ名前なんですね』


医者を呼ぼうとナースコールのボタンを手に取ろうとしたいた彼の手が止まり
驚いた顔で私を見てきた
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