Savior-社長は救世主-
「あの部屋、どうするつもりだ?」
あの部屋とは
私と和弥が暮らしていた部屋
契約は二人の名前になっている
和弥がいない今、
私がやらなければならない
和弥の物だってあるはずだ
私の物は…
『後で寄ってもらっても良いですか?あ、ホームセンターにも寄ってください』
今日で終わらせたい
急いでいるわけではない
事情聴取されている時
社長は待合室で待っていてくれた
だから刑事さんに託した
和弥の伝言を知らない
「一緒に暮らしていたら部屋は片付けたそうよ、多分自分は二度と戻らないつもりだったみたいよ。ただ、あなたの物は捨てられなかったって…後は頼むって、」
和弥は私が戻らない事をわかっていた
だから、あの日
話し合いをした後、命を絶とうと考えていたんだ
もし、あのまま私が死んでいたら
和弥は後を追っていただろう