Savior-社長は救世主-

「こら、絢斗。俺には愛する妻も子供もいるんだぞ?そんな大昔の話をするな」


大昔?
いやいや、お兄さん
あなた、まだ30代前半って感じですよ?
下手すりゃ、20代でもいけますが…


『…初めまして。小森澪です、社長にはいつもお世話になっています』


無難な挨拶
引っ込めた手を出すには難しい


「いや、馬鹿な弟が世話になってます。澪ちゃんがどんな子か気になっていたんだー。優と藍が溺愛してる子って」


溺愛?…確かに良くしてもらってるが…


「それで?澪ちゃん、この返事もらっても良いかな?」


お兄さんは私の前に置かれているプレートへ目線を落とし私に聞いてきた

ゔっ…
今なの?と思って固まる

なになに?と社長がプレートを覗き込もうとすると、お兄さんがフォークでイチゴを刺しチョコレート文字をすくう
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