Savior-社長は救世主-
ったく…と
社長はため息まじりに呟く
「それとも、あれか?澪ちゃんと一緒に式場見に行って決めたかったのか?」
優さんの言葉に、まさかと思いながら
社長を見ると、
急に私達から視線を外し
いつも眺めている掛け軸を見ている
えっ?うそ?本当?
優さんを見ればお腹を抱えて笑っている
いやん、可愛いとこあるじゃない
なんだか嬉しい限りだ
嬉しくてニンマリしていると
「こもり、俺にそんな態度でいいのか?」
先程にはない痛い言葉を掛けられる
帰ったら覚えておけよ、という意味だ
あー、最悪だ
社長は怒ったりしない
不機嫌になることはあるが
二人っきりの時は無い
この2週間、私達は意外と忙しく
繁忙期ってやつです
今が一番の稼ぎ時期
新規を獲得できるチャンスなのだ
それに加えての自社キャンペーン
あれが足りない、これが足りないと
売れ行きも好調だ