Savior-社長は救世主-

食事を済ませ、私と社長は机に向かった
二人きり、と言っても
仕事中は無駄話をしたりしない
急ぎの仕事もなく、キリのいいところで止めて久しぶりに買い物でもしようかと思っていた

社長が来なかったら
事務所の長椅子でダラダラしていたと思う
が、社長がいる以上、それはできない

時計を見れば、あと10分で3時になろうとしていた
帰ろうかな、
そう呟いた声は社長に届いてしまった



「帰るの?何か用事あるの?」


おい、おい
日曜日なんだから、野暮なことは聞かないでよ。デリカシーないなぁ…



『いいえ、特に。キリがいいのでやめようかと思いまして』



そういうと社長はパソコンを閉じ


「なら、付き合え」


そう言って立ち上がり、ジャケットと鞄を手にした
< 47 / 204 >

この作品をシェア

pagetop