Savior-社長は救世主-
『ちょっと、社長っ!』
私の声が届いたのかわからない
けど、付き合え、て捨て台詞を吐き
行ってしまったという事は
行かなくてはならないんだろう
急いでコートと鞄を持ち事務所を出た
なんで付き合わなきゃならないの?と
面倒くささ半分、
もしかしたらミニクーパーに乗れるかもしれない、という嬉しさ半分だ
ビルを出れば、真ん前に先日送ってもらった時の車が停まっていた
もちろん運転席には社長
ちょっと嬉しくもなり、
私は助手席に乗り込んだ
行くぞ、といい走り出す
どこへ行くのか聞いてない
けど、いい
気晴らしに走らせてくれるなら…
少しでいい、現実逃避がしたい
「眠たかったら、寝てもいいぞ」
乗ってすぐわかった
社長は運転が上手い
シートに預けている身体がズシリと重い
乗った途端、睡魔に襲われるなんて
どんなに疲れているんだか…