Savior-社長は救世主-


何かが手に触れた事に気がつき
私は目を開けた

…あ、寝てた?
あまりにも乗り心地がよくて
眠ってしまった私

なにが手に触れたか…
それは社長のコート
運転席を見れば
いるはずの社長がいない

ここは…どこなんだろうか
窓の外を見渡せば
夕陽が地平線に落ちていっている


夕陽と…タバコ吸っている人が重なる
私は車から降りた
少し肌寒く、私に掛けられたコートを持ち、彼に近づく


「起きたか?」


『寝てしまってすみません、これ、ありがとうございます。』


社長は吸っていたタバコを消し
ポケット灰皿に捨てた


「さみー」


そう言いながらコートを取り着る
その姿が、見惚れてしまう

ここ何処ですか?
そう聞くと、嬉しそうに
「俺が一人になりたい時にくる所」


そんな所に私を連れてきてくれた事に
いいのだろうかと、申し訳なく思う
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