Savior-社長は救世主-
『優しい雇い主さんで、良かったです』
冗談交じりに言うが
社長は笑ってくれない
『そんな顔しないでください』
そう言って社長から視線をそらす
日没だ…
段々暗くなる空
それが私の気持ちと重なる
帰らなくてはならない
和弥が晩ご飯を作って待っているだろう
そう思うと、自然にため息が出る
「飯、食って帰るか?」
私は首を横に振る
和弥が待っていることを察してくれたのか、「ならまた今度」と言ってくれた
どうやら、行きつけのレストランがあるらしい
いつも一人で行っている、意外だった
社長クラスならオンナは放っておかないだろうと勝手に思っていたからだ
そういえば社長の口から女の話は聞いたことがない
彼女かいたとしても、それはかなり理解がある人では無いとダメだろう
だって、日曜まで仕事する人だ
私なら…無理だろう