Savior-社長は救世主-

『ここでいいです』


そう言ったのは、アパートからだいぶ離れている公園


「……わかった」


アパートの前まで送ってもらって
また和弥に会ったら大変だ


「次は飯、行くぞ」


車を降りるときに、
いつもの調子で言ってくれた


「はい、今日はありがとうございました」


今日は少しだけラッキーだ
あの車に乗れたし
少しばかりの息抜きが出来た

相手が社長で良かったと思えた



『ただいま』


アパートに帰ればいつものように
私を向かい入れてくれる


「おかえり、疲れたでしょ?」


そう言って私を抱きしめる和弥
…が、それも一瞬


「なに、この臭い」


和弥がしかめっ面をしている
臭い?とコートを嗅げば
ほのかに香水の香りがした


……これは社長の…
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