Savior-社長は救世主-
「こもりー、デコが痛い」
そう言いながら私に近づいてくる
まさか、その格好でくるのかと思い
『社長っ、それ以上近づくと訴えますよ』
咄嗟に出た言葉が訴える…
さすがの社長もはぁ?という呆れ顔
「お前なー、触れてもいないのに訴えるってなんだよ。それで男と暮らしてるなんて意外だな」
うっ…、
だって、だって…
『ち、ちゃんと着替えてから出てきてくれますし、TPOをわきまえてますから』
近寄ってくる社長に慌てながら
言葉に出したTPO…、阿呆らしい。
「アホくさ。家にいるのにラクな格好も出来ないとか、ありえないだろ。もしかしてあれか?一日中部屋着でダラダラしたら怒られたりするわけ?」
そうだけど…
同棲し始めの頃、和弥に注意された
「休みの日だからって、ダメだよ」
二人で暮らすんだから合わせなきゃ、
そう思い、私は和弥に合わせるようにした