Savior-社長は救世主-
「小森、そんなんで楽しい?」
全く痛い所を突くなぁ…
わかってるよ…わかってる
けど、どうすることもできないんだ
同棲するときに、ちゃんとしたいって
和弥が言ってくれて
私の両親に同棲の許可を取りに行ってくれた
もちろん私の両親は公務員だし
ちゃんと挨拶にくる良い青年として
かなりの高評価だったわけで
結婚という二文字をいつなのかと
ソワソワして待っているのだ
それを…裏切る事はしたくない
けど和弥と一生も考えられない
何も答えられないでいたら
社長が私の頭をポンポンしてきた
まただ…、
大丈夫、と言われているようだ
「こもりー、デコ痛い」
座っている私と目線を合わせるように
社長はしゃがみ込み、額に指をさした
ドアにぶつけたであろう痕
社長の額は少し赤くなっていた