Savior-社長は救世主-

『ふふっ、赤くなってますが、すぐ治りますよ?…んー、じゃぁ、早く治るおまじないをしましょう』


社長相手に失礼じゃないか、と思ったが
今なら何をしても許される気がした
社長の額に私の手を当てて
『痛いの痛いの…飛んでいけー』

子供騙しにも程がある


『もう大丈夫ですよ』


自分でも笑ってしまう、が
当の本人はポカーンとしている
こんな社長、見たことがない


『社長、早く着替えて下さい』


「…え、あ、あ、うん、」


慌てて立ち上がる社長
あんな焦っている社長は本当に初めてだ


会食へ向かう社長、
近くのコンビニまで社長と一緒に行くことになった
一人で行けるのに…と思ったけど
そこは社長の優しさなんだろう


「多分、遅くなるから、部屋の鍵はかけて寝ること、いい?」


はい、はい。
なんだかお父さんみたいな社長


『あまり飲みすぎないでくださいね』


そう言ってコンビニの前で私達は別れた
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