Savior-社長は救世主-
201号室
2階の一番奥の部屋
1階は多目的スペースになっているから
足音とか気にしなくて済む
202号室は夜のお仕事をしているお兄さん二人がルームシェアをしているから
帰ってくる時間と、私が出勤する時間で挨拶を交わすくらいだ
だから今は寝ているだろう
『どうぞ』
誰かをこの部屋に招き入れるのは初めて
社長は入るなり、
「荷物をまとめろ」
まさか、と思っていたが
社長の顔を見ると本気だ
『無理です。行くあてもありませんし、もし私が居なくなったら、彼は私を探します。そしたら社長やみんなに迷惑がかかりかもしれません』
帰ってください、と言おうとしたら
社長に腕を引かれた
な…に、
まさかの行動に、思考回路が停止する
私は社長に抱きしめられていた