秘密の契約
すでにパーティーは始まっているようでインターホンを押す前から賑やかな音や声が聞こえてきた。



中からドアが開いて郁斗が顔を出した。



「待ってたよ」



カジュアルなパンツと水色のシャツを組み合わせてちょっと砕けた感じの細いネクタイを身に付けた郁斗が出迎えた。


「郁兄、すごくカッコイイよ」



萌が先に中へ入り、日菜も後に続いた。



人が苦手だから先に萌が行ってくれると気分が楽なのだ。



「萌はそれって大人っぽ過ぎない？」


赤いノースリーブのドレスの事を言っているのだ。


郁斗が憎まれ口を利くと萌は舌を突き出した。



「日菜は……可愛すぎだろ？」



「それってけなしてるの？」



日菜は意味が分からなくて肩をすくめた。




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