秘密の契約
物思いにふけていた千波は日菜が目を覚ました事に気付いていなかった。



「ち……」


もう一度呼ぼうとすると千波が日菜を見た。



「日菜 目を覚ましたんだね」



事故後、日菜の口から言葉が出たのはこれが初めてだ。



「み……ず……」



千波は水が飲みやすいようにストローを日菜の口に当てた。



飲み終わると日菜は笑顔を向けた。



「ありがと……」



口の中が潤って話しやすくなった。




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