秘密の契約
深々と母にお辞儀をしてから日菜のベッドへ来た。



「郁斗……そんな顔をしないで」



疲れきった顔は日に焼けた顔なのに血色が悪く見える。



「日菜、ごめんな 俺がドライブに誘ったばかりに」



「郁斗のせいじゃないよ 今もママにあの時の事を話していたの 不思議とはっきり覚えているの 郁斗のおかげでこの程度で済んだんだよ?」



「腕の傷……跡が残るかもしれないんだ」



「うん……じゃあ、もし千波くんにふられたら郁斗に貰ってもらおうかな?」



冗談っぽく聞こえるように言う。




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