秘密の契約
「郁斗~ 来なくて良いよ~ 一人で帰れるから」



聞こえないかもしれない愛の携帯に向かって言ってみる。



『日菜、なんか言ってる?』



「来ないでいいって」



『すぐに行くから 駅前にコーヒーショップがあるだろ?そこで待ってろって言って』



そう言うと電話が切れた。



「愛ちゃん……」



「だって一人で帰すのは心配だもん それに日菜の家に行く途中に公園もあるからさ 危ないよ 駅前のコーヒーショップにいてって」



たしかにあそこの公園には良い話はない。



真っ暗で木がうっそうと茂っているから夜に側を通るだけで怖い。






< 241 / 684 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop