秘密の契約
「それで兄貴はどうするつもりだったんだ?」



「彼女が良くなったら朝倉の家を出るって……」



郁斗が深いため息を吐いた。



「日菜、苦しかったな?」



昔から日菜は兄貴が好きだった。



なのに……。



「苦しかったけど……千波くんと一緒にいられて幸せだったから……」



「お前、バカだな」



「そんなの知ってるよ」



笑顔の裏で苦しみを味わっていたなんて……。



無性に兄貴に腹がたって来た。





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