秘密の契約
「兄貴はアメリカへ行くつもりなのか?」



郁斗の問いに日菜は首を振った。



「アメリカの彼女と別れたの……彼女と別れたからお芝居は必要じゃなくなって……」



話しているとまた悲しくなった。



兄貴は日菜の事を愛しているとばかり思っていた。



自分の目にはそう見えた。



愛しそうに日菜を見ている所を何度見たことか。



だから兄貴から本当の事を聞きだすまで日菜の話は信じられなかった。



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