秘密の契約
「日菜ちゃん?どうしたの?」



「えっ?ううん なんでもない 後で電話してみるね」



萌と別れると今朝千波が来たという事が気になって仕方なかった。



ポケットから携帯を出して千波の番号を出す。



千波くんと話すのは勇気がいる。



きっと郁斗に話をしてしまったから怒っているんだ。



日菜は勇気を振り絞ってボタンを押した。



【お客様のかけた番号は電波が届かない――】



千波が出ない事にホッとしたのか残念だったのか……



気持ちは半分半分だ。



日菜が電話をかけた頃、千波はロサンゼルスに向かう飛行機の中だった。





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