秘密の契約
ドアを閉めて一歩千波に近づく。



まったく見ようともしない。



どうしたの……?



「千波くん……」



その声にハッとして千波が振り向いた。



郁斗は憔悴した顔をしていると言ったのに目の前にいる千波くんはそれほど憔悴した顔に見えなかった。



久しぶりに会った千波くんはいつもどおりすてきだ。



「日菜、出て行ってくれないか?」



冷たく言われて日菜はビクッと身体を震わせた。




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