秘密の契約
千波はロスに向かった時もこの部屋にこもっている時もずっと日菜の事を考えていた。



ミランダが亡くなったのに日菜の顔ばかりが浮かんだ。



「あたしじゃ……癒せないかな……」



勇気を振り絞ってやっと言えた言葉。



「今……なんて……?」



日菜を抱きしめているのはなんて心地よいのだろう。



そんな事を考えていると日菜が言った言葉に耳を疑う。



「千波くんがつらいのを見ていられないの 何があったか判らないけど……あたし……千波くんを癒したい……」



「日菜……」



まっすぐ自分を見てくれる日菜。



愛しい気持ちは増していく。




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