秘密の契約
「日菜、帰って」



「千波くん……?」



あたしでは満足できないんだ……。



子供みたいなキス。



あたしは千波くんを癒せない……。



日菜は涙を堪えて千波から離れる。



「あたし……」



何を言いたいのか自分でもわからない。



日菜は部屋を出た。



ドアが閉まる音を聞いて千波は後を追いたくなった。



が、思いとどまる。



今の自分は日菜を愛する資格が無い。



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