秘密の契約
「良かった」



その事が一番大切かのように千波の顔が安堵しているみたいに日菜は見えた。



おかしいのは千波くんだよ……。



頬を触っていた指はいつの間にか手を握られていて再び歩き出した。



手を握りながら歩くと言う事は良くあったけど今日はなんか変な感じだった。



あっという間に和風の門の前に着いてしまった。



「千波くん、ありがとう」



「じゃあ、夜更かしはほどほどにね?」



「うん あの、千波くん 千波くんが帰ってきてうれしい……」



恥ずかしそうに言った日菜は千波に何かを言われる前に門の横の通用門を開けて中へ入って行った。











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