秘密の契約
「日菜?」



千波は立ち上がると日菜の側へ行った。



「……いいよ」



日菜は勇気を振り絞って言うと千波のウエストに腕を回して抱きついた。



「日菜……」



思いつめた表情で入ってきた日菜をからかうつもりで言ったのに……。



真剣な日菜に千波は胸が痛んだ。



「千波くんが元気になってくれるのなら何でもするって言ったでしょう?」



まだ大人になりきれていない愛らしい顔。




< 319 / 684 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop