秘密の契約
「送るよ」



「すぐ前だから大丈夫だよ」



そう言って断ったのだが千波の手が日菜の手をぎゅっと握った。



一生懸命になってくれる日菜が可愛い。



いじらしい日菜を守りたい。



そんな気持ちが芽生えたのはいつだったのだろう……。



帰国後?


……いや……もっと前からだ。



「千波くん、どうしたの?」



手を握ったまま考え込むような顔になってしまった千波の顔を覗きこむ。



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