秘密の契約
「そこに置いといて下さい」



振り向かずにそう言うとクスッと笑い声が聞こえた。



その笑い声に驚いて振り向くと千波が立っていた。



ジーンズに黒のTシャツ姿、皮紐のペンダントは3重に喉元に回っていてペンダントトップは十字架。



「ち、千波くんっ!?」



「すごく驚いているね?俺が来るのは意外だった?」



そう言いながら日菜に近づいて来た。



「当たり前だよ……昨日帰って来たばかりで忙しいと思っていたし」



突然の千波の訪問に日菜はパジャマでなくて良かったと胸を撫で下ろした。



「忙しいけど……日菜が優先」



「あたしが優先?」



わけがわかんない会話に日菜は小首をかしげる。




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