秘密の契約
日菜は気まずそうにそっぽを向いていた。



「千波くん、電話するから」



ぼそっと言って無理やり千波の指を振りほどいて走って行ってしまった。



日菜……。



千波は逃げるように帰ってしまった日菜の後姿を見ていた。



「兄貴、また何かやらかしたの?それとも迫りすぎて嫌われたとか?」



郁斗が言うと千波に切れ長の目で睨まれた。



こえっ……



美形が睨むと迫力があるんだな。



家の中へ入って行く兄の後姿を見て郁斗はそう思った。




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