秘密の契約

「千波君とは結婚の約束をしていないだろう？」



「パパ！あたしはまだ高校生だよ！？結婚なんてまだ早いのに！」



「そうだよ　パパ、おかしいよ」



そう言って助け舟を出したのは萌だった。



「年が離れているのはわかっているが夏葉君が是非にと言ってきたんだ　日菜だって夏葉君の事は嫌いではないだろう？」



嫌いではないけど……愛しているわけじゃないもん……。



「パパ、家元の所にお嫁に行ったら日菜ちゃん苦労するに決まっているよ　親としていいの？日菜ちゃんが苦労して」



さすがに頭の切れる萌だ。



日菜が苦労する所は見たくない父親の心理を突いている。