秘密の契約
「日菜ちゃんの好きな人って朝倉財閥の御曹司だよね?」



コーヒーを一口飲んで夏葉は言う。



「どうして知っているんですか?」



「おばさんが言っていたから」



そうだったんだ……ママは断ろうとしてくれていたんだ。



「結婚の約束はしている?」



「それは……していません」



隠していても仕方がないので正直に言った。



「わたしなら君を大事にするよ」



端整な顔の夏葉に言われて日菜の胸はドキッと音をたてた。




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