秘密の契約
「離してください!」



つかまれた腕を振りほどこうとしていた。



「いいじゃん、ちょっとぐらい付き合ってよ そこでコーヒーでも飲もう」



少しお酒が入っているらしく息がお酒臭かった。



周りを行きかう人は見てみぬ振りをしている。



日菜は泣きたくなった。



「あいにくこの子はコーヒーが飲めないんだ」



頭から降ってきた千波の声に日菜は心臓が止まりそうなほど驚いた。



「それにあざがつきやすい 離してくれないか?」



千波が男の腕を掴んだ。



千波の出現に男はあっけなく手を離した。



「なんだ 男連れかよ」



ぶつぶつ呟きながら男は去って行った。




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