秘密の契約
手首が痛んで無意識に反対の手で手首をさすっていた。



「日菜?大丈夫か?」



さすっている手首を明るい所で見る。



「赤くなってるな」



「だ、大丈夫」



ホッとして堪えていた涙が出てきた。



「日菜……」



千波は車まで連れて行くと助手席に座らせる。



自分も運転席に回って座ると日菜の方を向く。



「日菜、ごめんね 俺に会いに来てくれたんだね」



うつむいていた日菜の頭が更に下に動いた。



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