秘密の契約
「千波くんっ!」



『待っていてくれたんだね?』



「う、うん……」



素直に認めるのも癪だったから気乗りのない返事をしてみた。



そんな日菜の声に電話向こうの千波がくすっと笑った気がした。



『明日、10時に迎えに行くよ』



「あたしが千波くんのマンションに行っていいかな?」



お休みの時ぐらい朝寝坊して欲しい。



『本当に?』



「本当だよ?ゆっくり寝ててね」



『日菜、ありがとう』



電話を切った日菜は幸せいっぱいな気分だった。




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