秘密の契約

「ん……日菜？……ごめん　すごく寝たみたいだ」



身体を揺すられて目を覚ました千波が身体を起こした。



目に入りそうな髪をかき上げる仕草が色っぽい。



起きたばかりでどこと無く憂いを帯びた表情。



「２時間ちょっと寝ただけだよ？　ぐっすり眠れて良かった」



「起こしてくれれば良かったのに　退屈だっただろう？」



「ううん　夕食を作っていたし」



「日菜、ありがとう」



千波の顔が近づいて唇にそっとキスを受ける。



「いい匂いがする」



キッチンから漂うおいしそうな匂いに千波はお腹が減ったと言うようなジェスチャーをした。