秘密の契約
「日菜、一緒に暮らそうか?」



「ち、千波くん……?」



突然の言葉にびっくりまなこになる。



「じょーだんだよ まだ高校生だし 俺も独立したばかりだから親たちが黙っていないだろうな」



たしかに想像すると反対される確率はかなり高い。



冗談と言われて日菜は残念な気持ちが心の中をしめた。



「でもね、日菜 俺が日菜の事を大事に思っている事は忘れないで」



髪を撫でていた長い指は移動して日菜の唇の輪郭をゆっくりなぞる。



「千波くん……」



「俺には日菜しかいない」



「千波くん、大好き……」



しばらく2人はお互いの気持ちを確かめ合うように抱き合っていた。




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