秘密の契約

「どうしたの？千波くん　郁斗と待ち合わせ？」



「いや、日菜を迎えに来たんだ」



「あたし？」



少し離れた所に千波のシルバーのＢＭＷが停まっていた。



「日菜、メールしてねっ」



隣にいる愛が意味深に日菜に笑うと千波に頭をペコッと下げて行ってしまった。



「さあ、乗って」



「う、うん」



早くこの場から消えたかった。



千波には羨望の眼差、自分には嫉妬の眼差しを感じたから。



千波は助手席のドアを紳士的に開けると日菜を座らせた。



そしてゆっくり前を回って運転席に千波が座る。