秘密の契約
日菜は学校から帰ると着替えて千波の会社に向かった。



まだ時間が早いから会社に着いてから電話しても会えると思った。



朝倉の本社は都心の一等地に建つ５階建ての自社ビル。



一等地に建つくらいだから建物も豪華そのものだ。



ホテル経営がメインだけど土地開発なんかもやっているから自社ビルも構えているのだ。



ビルの前に立つと足取りが重くなる。



ロビーに入ると警備員が近寄ってきた。



「お嬢さん、どちらへ？」



ここの社員ではないのは一目瞭然らしい。



「えっと……ここで呼び出します」



日菜は携帯をバッグから取り出して警備員に見せた。



警備員は少し離れたが視線を日菜は感じていた。



小娘が何の用だ？って感じなのかな……。





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