秘密の契約

「日菜、待って　送るよ」



「えーっ　朝倉さん　帰っちゃうんですか？珍しく参加してくれるから喜んでいたんですよー」



どう見ても千波に気がありそうなピンクのスーツの女性が鼻にかかった声で千波を引き止める。



「ち、千波くん　あたしはいいから　一緒に行って」



千波くんの都合も考えずに来たあたしが悪い。



「日菜ちゃんって言うんだ　どうせなら一緒に行こうよ」



先ほどの青年が誘う。



「そうですよー　十和子先輩も後で来たときに朝倉さんがいなかったらがっかりしますよ？」



十和子先輩ががっかり……？



日菜は千波の顔を見た。



「日菜、後で送っていくから少し付き合ってくれる？」



それでも日菜は帰ろうとしたが軽く拉致された状態で連れて行かれた。