秘密の契約
日菜の母親が戻ってくると仕事をほったらかしにして来た千波は仕事が終わったら来ると言って帰って行った。



日菜は枕に背をもたせて小さく手を振った。



「日菜、まったく心配させないでちょうだいね?」


「ママ……ごめんなさい……」


「千波君も仕事をほったらかして慌ててきたようよ?」


「ん……」


迷惑をかけたいわけじゃないのに結果的には迷惑をかけてしまっている……。


「今日は千波君以外、病室へ通さないから来るまで眠るといいわ」


「……はい」


愛ちゃんたち心配しているだろうな……。


日菜はベッドに横になると目を閉じた。





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