秘密の契約
女心なんてスポーツ少年の郁斗はわからないと思っていたけど、意外と繊細である意味千波くんよりも女心には敏感なのかもしれない。



日菜は千波に勉強を教えてもらいながらそんな事を考えていた。



「日菜?日菜?聞いてる?」


「え?うん 聞いてる」


千波は慌てて返事をした日菜に微笑む。



「疲れた?休憩しようか 飲み物買ってくるよ」


千波がイスから立ち上がる。


「あ、あたしも行きたいっ」


ずっとベッドの上だから身体がこわばっちゃってる。


「じゃあ、これを着て」



千波が差し出したのは自分の黒のショートコート。




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