秘密の契約

女心と・・・

女の約束だったけど心の中では千波くんに誘われる事を期待していた。


自分から誘えば良いのにそれが出来ない。


社会人の千波くんの負担になりたくないから。


今年のクリスマス・イブは金曜日だから昼間は仕事があるし、忙しい千波くんは残業があるかもしれない。


そう思うと積極的に誘う事なんてできなかった。



クリスマスは土曜日だよね……。

机の上に置かれた卓上カレンダーを見てはため息を吐く。

もう何回ため息をついたことか……。



「日菜ちゃん、なんでため息ばかり吐いてるの？」


萌の声にハッとして自分のベッドを見た。


そうだ……

萌がベッドで雑誌を読んでいるんだった。


「え？そ、ため息なんか吐いてた？」


「吐いてたよ　もう何回も。うるさくて読めないよ」


雑誌を持って床に足を降ろすと萌は出て行った。


じゃあ、自分の部屋で読めばいいのに……。


萌が出て行ったドアを見て思った日菜だった。




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