秘密の契約
千波は昨日約束をしたばかりの日菜に電話をするのは気が重かった。



平社員としての自分にいつスケジュールが突発的に入ってくるか分からなかったので21日の昨日、ぎりぎりに電話したのだ。



恋人同士ならクリスマスのイベントは欠かせないだろう。


日菜は待っていたようではしゃいでいた。



日菜のうれしそうな顔が思い浮かんで千波の顔は苦虫を噛み潰したような顔になる。



日菜、ごめん……。


千波は携帯を開き、日菜の番号を押した。



~~~~~~~~~~



日菜はクリスマス用に花を活けていた。


家で活けるのは久しぶり。


活け終わったら朝倉家に持っていくつもりだった。


活けるといっても今回はオアシスに活けるもので真っ白なかごが花瓶代わり。



~~~♪


ポケットの中の携帯が鳴った。


あれ?千波くん……?


着メロを聞いて驚いた。


驚いたと同時に嫌な予感がした。




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