秘密の契約

疑い

日菜の身体は小刻みに震えた。


寒いからではない。


ロビーは薄着で大丈夫なほど暖房されているのだ。


十和子さんと一緒だったんだ……。

なぜ黙っていたの?

日菜はショックを受けた。



愛も梨絵も千波と十和子を見比べているし、郁斗は誰この人?と十和子を見てから日菜を見た。


「い、郁斗 行こう」


日菜は郁斗の手を引っ張ってエレベーターに向かった。



「日菜!」


千波は追いかけようとしたが十和子に腕を引っ張られた。



「千波さん 少し放って置いてあげたほうが良いわ 友達がいるんだもの 大丈夫よ それより会場へ行きましょう 照明さんが困っているらしいの」



そうだ、今は仕事中……。


千波は十和子と共に会場に向かった。





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