秘密の契約
「愛、ルームサービスでホットミルク頼んで　後はお前たちもなんか飲む？俺はコーヒーね」


真っ白なソファーに膝を抱えてその膝頭に顔を埋めて泣いている日菜。



「日菜、そんなにショックを受ける事じゃないだろ？兄貴は俺が内緒にしていたから怒っただけだよ」


郁斗がそう言うとまたしても日菜は顔を埋めながら頭を振った。


こんな状態になるとお手上げだ。


早く来てくれよ　兄貴……。と心の中で思う。




～～～～♪


ポケットに入っていた日菜の携帯が鳴った。


日菜はビクッとして携帯をポケットから出して着信を見る。


着信は＜十和子＞だ。


前に電話をもらった時、必要はないが登録しておいたのだ。


～～～～♪


「日菜、出ないの？」


梨絵が携帯をいつまでも見つめている日菜に聞く。



日菜はいつまでも鳴り止まない携帯にやっと出た。


「……はい？」


『わかるわよね？あなたって呆れた子ね？追いかけてくるなんて』


そう言うとクスッと笑う。


『そんなに自信がないの？彼は公私混同はしない人よ　これで嫌われちゃったかもしれないわね？帰った方がいいんじゃないかしら』


十和子の言葉に日菜自身そう思っていたので心はズタズタに傷ついた。



『公私混同しない人だけど夜は別よ？ずっとわたしたちはこのホテルで一緒だから　何か無い方がおかしいわよね？』


何かあったに違いないと示唆する言葉を十和子は言った。




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