秘密の契約
「日菜~ やっぱ日菜は可愛いわ~」


そう言って抱きつくのは愛。


パーティーの為に持参したドレスを3人は着てリビングに姿を現した。


萌からドレスを借りた愛は真っ赤なスリムなスカート丈がミニのドレス。


日菜のドレスを借りた梨絵は日菜が持っている中で一番大人っぽいキャミソールタイプのブルーの膝丈のドレス。


日菜はというと真っ白で袖口、大きく開いた衿ぐり、裾にラビットファーをあしらった膝より少し長いドレス。


「お前、ウサギみたいだな」


そういうのは郁斗だ。


「耳としっぽつけた方がいいんじゃないか?」


「やだ~ 郁斗 それじゃ バニーちゃんじゃん!」


愛が郁斗を睨む。


「抱きつきたくなっちゃうよね~日菜って」


梨絵が日菜の全身を見て言うと日菜の首や顔、耳まで真っ赤になった。


「きっと千波様 日菜を見たら落ち着いていられないよ」


日菜は会いたくなかった。


電話を待っていたのに結局かかってこなかった。


泣きながら寝入ってしまったのだ。






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