秘密の契約
頼んだぞって……そりゃ 男達の視線は分かっているさ。


日菜が周りの男から注目を浴びているのはわかる。


飲み物を取りに行った時も声をかけようと何人か席を立ったのが見えた。


何人かに声をかけられた日菜は「彼氏がいるから」と答えているようであきらめて帰っていく。


飢えた狼のエサになっても知らないぞ?


兄貴の子羊ちゃんは。


とにかく俺が見ているしかないか……。






大っ嫌いと言ってしまって日菜は早くも後悔していた。


でも素直になれない。


司会者の女性がビンゴゲームの数字を言っているが耳に入ってこない。


隣で愛と梨絵は数字のたびに喜んだり、がっかりしたりと忙しい。


日菜はテーブルに頬杖ついてぼんやりしていた。




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