秘密の契約
そう言えばツリーがきれいだって言ってたっけ……。


日菜はそっと立ち上がって出口に向かった。


ビンゴゲームに盛り上がっている3人は日菜が出て行ったのに気づかなかった。





日菜は正面玄関の反対にあるゲレンデに出る場所に向かった。


コートを着ていないから外に出る事は無理でも中からツリーを眺められるのではないかと考えたのだ。


まだスキーを楽しんでいた客がゲレンデ側のロビーに数グループいる。


日菜だけが場違な格好をしている為、じろじろ見られてしまう。


日菜はうつむきがちに窓ガラスへ近づいた。


あった……。


そこはガラス張りになっていて外のクリスマスツリーが半分だけ見える。


でも、外に出ないと全部は見れない……。


半分しか見れなくてもイルミネーションはきれいなのだがこんな格好では外に出られずがっかりした。


ガラス窓に張り付くようにしてクリスマスツリーをしばらく見ていた。




< 625 / 684 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop